家づくりなんでもQ&A

HOUSE BUILD FAQ
2016.07.06
家づくりの知識

天井の高さはどれくらいがベストですか?

高い天井のメリット&デメリット

家を建てる時にお部屋の間取りや広さにこだわる方は多いですが、見落としがちなのが天井の高さ。
一般的に言うと、高い天井の方が開放感があって良いという考え方が大半ではないでしょうか。また、一時期は住宅メーカーなども高い天井をこぞってアピールし、うたい文句の一つにもなっていました。

天井が低いと閉塞感や圧迫感があって居心地が悪いと感じますし、子どもの情緒性に影響が発生するという報告もあるようです。しかし、天井が高いことがすべての空間にとって正解かというと、そうではありません。

例えば、狭い部屋の場合は天井が高いと、もっと狭く感じてしまいます。また、畳に直接座る和室では天井がさらに高く感じるため落ち着きません。

さらに意外なデメリットとして、階段の段数が増えて不便に思ったり、家具と天井の間が空いてしまって間延びした印象になったり、窓も大きくなるため既成カーテンが一切使えずオーダーで高くついてしまったりと色々な不満もあるようです。

<高い天井のメリット>
・開放的に感じる
・高級感のあるリッチな空間を演出できる
・シャンデリアなどの高さのある照明器具を設置できる
・窓を高い位置に取り付けることで明るい空間になる

<高い天井のデメリット>
・冷暖房費のコストがかかる
・カーテンやサッシなどの既製品を使用できない
・狭い部屋の場合、余計に閉塞感を感じる
・メンテナンスに手間とコストがかかる(掃除、電球交換など)
・照明器具の選び方が難しい

このように「天井は高ければ良い」というわけではなく、入居後の生活をしっかりとイメージして慎重に判断することが大切です。

平均的な天井の高さってどれくらい?

日本では住宅を設計する際に守らなければならない建築基準法というものがあり、天井の高さは210cm以上に設計するように定められています。では、日本の住宅の平均的な天井高はどれくらいなのでしょうか?

昔ながらの和室が多い家では天井高220cm が平均的でしたが、洋室の多い現代の住宅では平均的な天井高は240cm前後となっています。一部の輸入住宅メーカーの家では270cm〜300cmという所もありますが、日本人の身長には240cm程度の天井高が合っているようです。また、240cm以上の高さになると構造材のコストも高くなったり、内装や斜線制限などの法的な問題も出てくるので240cmが標準仕様となっているのです。

ズバリ理想の天井の高さは?

やはり日本の住宅の標準である240cmが無難と言えます。建具やサッシ、既成カーテンなど多くのアイテムは天井高240cmを基準として作られているため、インテリアの選択肢も広く、配置がしやすいこともメリットです。

しかし、居心地の面から考えると、快適な空間というのは「部屋の広さ」と「天井の高さ」という絶妙なバランスで成り立っています。さらに、お部屋の用途や目的によっても変わってきます。

以下はお部屋ごとの天井高の目安です。

<リビング:天井高の目安245cm~>
広い面積を占めるリビングルームでは天井は高い方が開放感が出ます。8畳以上であれば、天井高250cm以上あるとより広く感じられます。シャンデリアなどを取り付けるのなら280cm程度が理想的です。

<寝室・キッチン・トイレ:天井高の目安230cm〜240cm>
天井が高いと落ち着かない、眠れないという人も。また、狭い空間であるトイレは、天井が高いと壁が迫ってくるような感覚に陥るケースもあるようです。240cmか少し低めの天井高が適しています。

<和室:天井高の目安225cm~240cm>
畳に座るスタイルの和室では、少し低めの天井がしっくりと来ます。ただ、吊り下げ型の照明の場合は240cm~250cmくらいあった方が良いでしょう。いずれも部屋の大きさや照明器具、住む人の身長などによって最適な高さは変わってきますので、モデルルームなどで事前にチェックして理想的な天井高を検討しましょう。

2階の天井高で意外な落し穴も!

平均的な天井高は240cmというお話をしましたが、2階のお部屋の場合では「240cmが標準にして、最大値」という住宅メーカーもたくさん見られます。実はこの「最大値」という制限がトラブルになることも多いのです。

例えば、
・2階にリビングを作りたい
・2階の寝室に高さのある照明を付けたい
・2階の書斎に大きな本棚を設置したい
・二世帯住宅で2階に若い世帯が住む

と、天井を高くする必要が出てきた場合でも、対応ができないというケースが発生します。たとえ天井を高くすることができたとしても、標準外費用としてかなりのコストが発生する事が考えられます。後々の不満や後悔を起こさないためにも、住宅メーカーに確認し、しっかりと相談することがポイントです。

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